夏のお題と会話を2つ

■ついのべ三題ったー:『難易度』『勇気』『英語』


 必死で少女の目は彼を追っていた。
 動かし続ける手はすでに痛みを覚えたが、止めるわけにはいかなかった。
 だが、必死で追い続けても、限界がきた。
 あ。
 一瞬鈍った手の動き。それに反応して、彼は画面の中で崖から落ちたのだ
 「難易度一番下だったのに…」
 GAME OVERの文字に少女はため息をつく。





■禁止


「あちゅい〜」
「そうだな」
「ちぇんちぇい、エアコン〜」
「節電するんじゃなかったのか」
「らって、ちぇんちぇいのパソコンがほうねちゅする〜」
「ノート型はそんなに放熱しない」
「あちゅい〜」
「夏だからな」
「まら7月らのに〜」
「気象が異常になってきた証拠だな」
「そんな証拠いらない〜」
「地球温暖化は人間の仕業だから、耐えるのが筋だ」
「耐えられない〜」
「じゃあ、我慢しろ」
「いっちょら〜」
「仕方が無いだろ」
「う〜…じゃあ、ロンドンに行く…」
「却下」
「ロンドンは湿気が少ないから、過ごしやすいってジョンが…」
「渡英許可は出せんな」
「なんれ〜」
「先月まで、欧州では出血性大腸菌が流行していた。半年はダメだ」
「半年まったら、冬になるう〜」
「お前は感染症には弱いんだ。それぐらいの措置はとらないと危険なんだ」
「ううう」
「…ピノコ、アイスコーヒー」
「あーい!じゃあ、おやちゅにちまちょう!」
「頼む」

■束縛


「「ピノコ」
「なーに?」
「ここにあった時計はどうした」
「あえ、この間、落ちて壊れちった」
「…新しいのを買わないのか」
「なんれ?たいらいろけいがあゆから、いいよー」
「”たいらい”…?…”体内時計”な」
「そえ」
「…不便じゃないのか」
「なんれ?朝はてれびで時間をみゆし、おやすみの日は、じかんを気にしなくれもいいもん」
「まあ、そうとも言えるか」
「れも、ちぇんちぇいが不便なや、今かや買いに行くけろ…」
「お前が不便に思っていないのなら、しばらくは、このままでいいか」
「うん!」


2011.7.3
透明音階+(http://kewpiem.yumenogotoshi.com/)