SNSはじめました


【Facebook】

※アニメ設定

 写楽に面白いよーと勧められてはじめた、フェイスブック。
 みんな、遊びにいったスナップ写真なんかを、アップロードしている。
 少女も写楽や和登さんたちと遊びにいった写真を掲載している。
 あとは、料理の写真。
 新作料理の時は、みんな褒めてくれる。
 嬉しい。うん。嬉しい。
 でも。

 携帯電話から顔をあげれば、いつもの岬の家。
 主が出張中の広い家。




【Twitter】

 なるほど。
 携帯電話の液晶画面を眺めながら、天才外科医は感心する。
 世界規模で浸透したSNSの一つである『twitter』。
 日本語では『呟き』とも、簡易投稿型掲示板とも訳されるそのツールに、天才外科医は露ほどの興味は無かった。
 興味をもったのは彼の助手である。
「ちぇんちぇいも、ちまちょーよー!」
 少女は、その呟きツールが如何に優れて楽しいものなのかを熱弁してくれたが、天才外科医は無視していた。
 だいたい、用事があればメールなり電話なりすればいい。
 そう言えば、少女は幼い頬をぷうと膨らませ「いいですよー」とそっぽを向いた。「あーあ。ピノコのアカウントは鍵をかけてあるから、フォロワーちゃんが少ないのよさー」
 ため息混じりに、少女は爆弾を落とした。「辰巳ちぇんちぇいでちょー、ユリちゃんでちょー、そえにロクターしかいないのよさ」
「ドクター…って、キリコかッ!?」
 過剰反応する天才外科医に、少女はこっくりと頷く。「アカウントに鍵をかけたほうがいいって言ったのも、ロクターなのよさ」
 ロクターの呟きってたのちーのよさ。
 その一言で、天才外科医はtwitterをはじめたのであった。鍵つきアカウントで。

 苺模様のガラスのコップと、四葉のクローバー模様のガラスのコップゲット!【画像】
 さっき猫のブチ太に遭遇!三日ぶり(*´∇`*)
 今日の夕飯はおむらいす☆


 なるほど。
 これは少女の安否確認になるな。そう思いつつ、その”呟き”に我知らず口元が綻ぶ。
 まるで、少女が手の中にいるようで。
 だが

 
 @pino_ko おむらいす美味しそう。俺にもちょうだい!あ〜ん( ^o^)ρ (^0^ )


 少女のTLの後に現れた死神の化身のアカウント。
 ぶち。青筋が音を立てて切れた。

 その直後に勃発した、天才外科医と死神の化身のリプ合戦を、少女が密かに楽しんでいることは、秘密である。
 

-終-

2013.6.30 コウ

※大人気ない、天才外科医