■ルール■
その1
 お題に沿って、65文字以内 で 場面を描写 しましょう
その2
 できるだけ、力の限り
、  「モノローグ(内面描写/心の声)」・「抽象性」・「理論理屈の語り」を排除しましょう
 説明的な文章も避け、描写から「場面」が想像できるようにしましょう
 とにかく具体的な描写が第一目標です!






 00. お名前とサイト名をどうぞ。また、よろしければなにか一言。
HN:不良保育士コウ
サイト名:Phantompain-幻肢痛-
一言:とにかく、状況描写が苦手なので、がんばります!






 01. 告白<恐れていた現実/ジョルジュと影三>  【62文字】 

  彼の手が小刻みに震えだし、手にしていたカルテが、ばさりと落ちる。
 「フェニックス病だ」目の前の男は笑っていた。「やはり発症したよ」



 02. <告げられぬ本音/BJと影三>  【55文字】

  息子は無菌テントの中で、淡々と手を動かしながら尋ねた。
父は、それを見ずに、口を開いた。「今は愛してはいない」と。



 03. 卒業<就職/影三>  【52文字】

  一昨日購入したばかりのスーツは、皺一つ無い。
彼はネクタイの結び目を触りながら、面接会場へと向かっていた。



 04. <情緒に欠ける友人/ジョルジュと影三>  【40文字】

  窓の外は、万年雪を被る北米の雄大な山脈。
目の前には、大口を開けて眠る、彼の寝顔。



 05. 学ぶ<日本語特訓中/ジョルジュと影三>  【60文字】

  ぽん、と彼は手を打って答えた。「分かった、トマトだ!」
「違います」彼は首をふって「”tamago”は”egg”の事です」



 06. 電車<日本の通勤電車は大変/影三>  【63文字】

  緑のラインが入る銀色の電車がホームに入るなり、整列していた人々は途端に秩序を失くし、狭い入り口へと殺到する。
それが毎日の風景。



 07. ペット<乳児は動物的/黒男と影三>  【62文字】

  四つ這いで笑いながら来る君。笑っていたかと思えば、すぐに泣く。
触って、舐めて、時々こける。君が人間らしくなるのは、もう少し。



 08. <彼は甘党だから/エドワード>  【64文字】

  商品ボタンを押してから、と気づく。
ミルク増量のボタンを先に押すのを、いつも忘れてしまう。
ぼとと…液体が注がれる音が、微かに響く。



 09. おとな<憧れの男/影三>  【61文字】

  背が高く、幅のある肩は逞しい。
優しげな表情に、知性のひかる碧眼。開業医であれば頼もしい。
ああいう男性に、俺はなりたかった。



 10. 食事<拒食する君/ジョルジュと影三>  【56文字】

  痩せ細った彼の表情は、どこまでも虚ろで痛々しい。
粥を一さじ掬って口元へもっていく。途端に、彼は、苦しげに嘔吐した。



 11. <ここにいたか/エドワードと影三>  【62文字】

  机の上に山積みになった本を、一つ一つ、丁寧に横へ避けていく。
半分ほど避けると、埋もれていた彼の黒い頭が、ようやくみえてきた。



 12. <儚い願い/影三>  【39文字】

  引き出しの中にある、21年前に購入した、帆船模型。
これを息子に、手渡せる日が。



 13. 女と女<もう要らないものよね/蓮花と影三>  【54文字】

  彼女は彼の左手薬指から指輪を抜いて、新たな指輪を嵌めた。
そして、抜いた指輪は、彼女が笑いながら暖炉の炎へと投じた。



 14. 手紙<黒男、ごめん/影三>  【16文字】

  書きたくても、書いてはいけない。



 15. 信仰<君が眉を潜めるから/エドワード>  【24文字】

  日曜日。彼に出会ってから、教会へ行くのをやめた。



 16. 遊び<同僚と麻雀(笑)/影三>  【65文字】

  鳴いてから彼は静かに手牌を倒した。
晒された牌をみて、その場の人間が思わず息を呑む。
「お約束どおり、帰ってもいいですか」
彼は言った。



 17. 初体験<七五三みたいかも/エドと影三>  【64文字】

  あまりに悪戦苦闘しているので、つい。
シュッ…と軽く衣擦れをさせて、手早く結んでやる。
初めてする彼のネクタイは、よく似合っていた。



 18. 仕事<バート病院にて/影三>  【56文字】

  「間は足を頼む!
」 夜の処置室に運ばれた重症者。
同僚の指示に彼は「OK」と答えると、真っ赤に染まる患者の足を診た。



 19. 化粧<ほんの少しの、出来心/エドワード>  【54文字】

  夜、爆睡する彼の薄い唇に、桃色のルージュをひいてみる。 それは、悪戯にしては、魅力的で、背徳的な寝顔になった。



 20. 怒り<ノワール・プロジェクト/影三>  【64文字】

  生体間臓器移植を受けられない、多くの患者のために開発した。
一部の金持ちへの為にじゃない。
カルテを眺めながら、彼は唇を噛み締める。



 21. 神秘<生命誕生/影三>  【58文字】

  妻の腹部に、思わず手を当ててみた。
まだ分からないが、この中に、自分の子供がいるのだという。
彼は思わず、涙ぐんでいた。



 22. <エド、許さん…/影三>  【27文字】

  「間さんとドクタージョルジュって、デキてるんですか?」



 23. 彼と彼女<密やかな結婚式/エドとメアリ>  【64文字】

  夕方の公園。ベンチに座り、彼は彼女の左手薬指に指輪を嵌める。
そして彼女は、彼の左手薬指に。
2人だけの指輪交換に、彼女は笑った。



 24. 悲しみ<不発弾事件/影三>  【31文字】

  妻と息子のカルテに目を通した彼は、泣く事すらできなかった。



 25.   【○○文字】

  渡された資料を見て息をのんだ。
それは21年前に日本においてきた、息子の成長した姿。
「生きていてくれたのか」
思わず呟いていた。



 26. <やっと君に会えた/影三>  【30文字】

  「…みお…」
幸せそうに呟いた彼は、二度と動くことが無かった。



 27. 芝居<21年ぶりの再会/BJと影三>  【58文字】

  「久しぶりだな、黒男。よく来てくれた」
 彼は冷たい声で、無機質に告げる。
 優雅な仕草で、息子をソファーへと促した。




 28. <生かされる命/ドクタージョルジュ>   【58文字】

  ウィルスに蝕まれた体は、生命維持装置に繋がれている。
人工的な機械類。どこまでが体でどこまでが機械なのか。
それすらも。



 29. 感謝 <そんな日常が/みおと影三>  【43文字】

  玄関のドアを開ける。
「ただいま」
「おかえり」
すぐに顔を覗かせる妻は、いつも笑顔だった。



 30. イベント<日本のイベントには慣れていないんだ/影三>  【65文字】

  「…間違えたか…」
彼は苦笑しながら、包みをポケットに押し込んだ
。 ”ハッピーバレンタイン”と書かれたカードが、ポケットから落ちた。



 31. やわらかさ<余計なお世話だ/影三とエド>  【39文字】

  彼が人差し指で、背中をツンツン突いて言った。
「運動してますか?柔らかいですよ」



 32. 痛み<君を思う…/エドワード>  【54文字】

  彼の妻の訃報を聞き、心臓を撃ち抜かれたかのような激痛が走る。
彼は力なく椅子に座り込むと、静かに嗚咽していた。



 33. 好き<そんな君が/影三とジョルジュ>  【62文字】

  論議を白熱させた彼は、身振り手振りまで繰り出してきた。
彼の論議を正面から受け、男は反論をする。
もう、数時間も続く光景だった。



 34. 今昔(いまむかし)<変わりゆくもの/ジョルジュ>   【51文字】

  黒髪も、鳶色の眼も、何も変わりはしないのに 砂浜を無邪気に駆ける息子を見詰める彼の表情は、父親のそれだ。


 35. 渇き<君が潤して/ジョルジュ>  【50文字】

  ミネラルウォーターを飲み干す彼の、露になった喉を見詰める。
上下する喉元は、白人に比べたら華奢だ。



 36. 浪漫<新婚旅行中の間夫妻より/ジョルジュ>  【65文字】

  彼が手にした絵葉書には、青い空、白い雲。
青い海に白い砂浜。そして君の走り書き。
”It is traveling happily ”



 37. 季節<半袖だと寒い筈だよ/影三>  【33文字】

  「へっくしょん!」
盛大にくしゃみをしてみてから、気づくのが肌寒さ。



 38. 別れ<耳に残っている声/影三とみお>  【34文字】

  「じゃあ、行って来る」
「いってらっしゃい」
それが、君との最後の会話。



 39. <それ以上の望みなど/ジョルジュ>  【51文字】

  「自動販売機のコーナーで居眠りをする彼の黒髪を、優しく撫でる。
隣に座り、そっと彼の手に自分の手を重ねた。



 40. 贈り物<君を忘れられなかった/影三>  【65文字】

  「今度こそ、渡せそうだな」
呟く彼が手にしていたのは、ボロボロの紙箱に収まった、ペンダント。
一年前に渡せなかったそれは、美しく輝く。