※tui様の素敵エド影小説です!!! 前回までのあらすじは↓↓こちらをご覧下さい。 1話(by不良保育士) 2話(tui様) 3(話by不良保育士) 4話(tui様) 5話(by不良保育士) 7話(by不良保育士) 8話(by不良保育士) 9話(tui様) 10話(by不良保育士) 11話(tui様) (6話) 「ブラックジャック…!」 例えば涌き水が、突然あふれているように見えて、奥底に流れていたものが見えただけに過ぎなかったように。 物事に突然や偶然など どのぐらいあるだろうか …見事な仁王立ちだ。 「…そこをどきな」 「入ったらラメー!!!」 「お嬢ちゃん…先生は御乱心なのかい?」 「違う!」 「…何があった。」 「…感染症かも知えないって!」 「感染症?」 「うん。そいで、キイコたんに、あたしの世話を頼みたいって」 ドアの向こうに声をかけてみる。 …が、返事はない。 「早く、あたしをキイコたんの所へ連えてって!」ユリにお嬢ちゃんを即座に迎えに来るように頼んだ。 「入る…」 「こやっ!!」 番犬か、お嬢ちゃんは。 「あのね…キイコたんが、来ても絶対入れたらいけないって」 「…何故俺なんだ」 「入ろうとするのはキイコたんぐらいだからだって」 確かに…当たりだ。 「れも、れもね、先生青い顔をしてたの…らかららから」 「入って欲しいんだな…知ってる限りでいいから詳しく話してみろ」 「うん、今すぐに出てけって言って、玄関まで来た時には、もう先生は気を失ってるみたいな気がちたの…」 「毒性が強いのか?」 「わかんない。たら、それまでは元気らったの。髪を切ってかや買物をちて…3時間ぐやいだった。」 強毒性なのか?となると、ブラックジャックどころじゃない。おれがお世話に…確か、こないだまでちまたで騒がれてたウイルスがあったな…検疫を盛んにやってたはずだ 「…知り合いをあたってみる。」 程なくして、俺は防護服を手に入れた 「入るぞ」 「駄目だ」 「大丈夫、感染症にはかからないようにしてきた」 「駄目だ…お前だけは」 「…やはりな、俺に関係があるんだろ?」 「そうじゃない!」 「ああ、そうなの。」 無駄に頑丈な扉だ。全く納得していない俺は当然のごとく窓を叩きわって侵入した。 ガシャン!!…パリン…パリン…パリン キリコが徐々に近付いてくる足音。大丈夫、シュミレーションをした。 俺は平気だ。 パリン… 運命の悪戯か…まさかこんな、こんな再会をするなんて… パリン… おじさんはそんな人じゃない。きっと深い事情があったに違いない。優しかったおじさん。久しぶりに会えて嬉しかった。 子供の頃なんてよく覚えていなかった。けれどおじさんに会ったら、淡い日、幸せだったことが蘇ってきた。 俺の家族。 父との思い出など何一つもないとすら思っていたのに。 ガチャガチャ… とても…苦しそうだった。思いが届かない人を抱きたいから? 犯されてるのは俺なのに。 「ああ、そう…いいのね」 これじゃあまるで… ドカッ! ガシャ… 「元気そうね」 「ああ、ほどほど…」 言い終えないうちに、俺の衣服を剥ぎ取った 「…親父か」 「違う」 「無理矢理…犯されたんだな」 「違う」 「嘘つき」 「嘘はついてな…」 あれほどシュミレーションしたのに。言葉が上手く出てこない。 何か事情があったのかもしれないことは注射の跡からも伺える。 ただ、ただおじさんは、 大好きだったおじさんは …同じ顔だった。 俺に心が向いていない、キリコに見えた。 ただ、欲望をぶつけるだけの、キリコに見えた。まるで別に好きな人がいて、その代わりに俺を抱いているみたいだった 分かってる、よく分かってるんだ。事情があったんだ。 心は俺に全くないキリコに見えた。肌を深く合わせれば合わせるほどに、俺の躯に完全に食い込んでいたのに俺のことなど…気にしていなかった。 必死に名前を呼んでも 答えはなかった 頭ではよく分かってるんだ。なのに…何故、何故心が追いつかない 「…安楽には死なせないつもりだ」 言葉に詰まる俺を見て、キリコが…こう答えることは分かっていた。 絶対に駄目だ。 父親に復讐をしようとするなんて。親子で傷つけあうようなことは 「違うんだ…これを見ろ!」 「何を打たれた」 「知らない。ただ、感染症の疑いがある。一週間だ。一週間様子を見てくれ。お前は世話をしにきたんだろ…データを頼む。結論はそれからだ」 「それからやっていい…」 「馬鹿っ!!親子で殺しあいなんて嫌だからな。押さえられないなら俺がお前さんを…急所は外してやる」 「…辛いのはお前だろう?何故親父の味方をするんだ」 「…苦しそうだったから」 「…どうして」 答えは一週間もかからずに分かった。注射の跡は免疫が出来たか検査したのだと結論づけたが、感染症の疑いが晴れるまで一応安静にしていた。多少の抗体反応があったので、しばらく微熱が続いたが、ほどなく全快した。 ただ二つ疑問が残った これは何の免疫なのか。 強引な手段を要するほど急ぐ必要があったのか。 「キリコ、俺を抱け」 「もう大丈夫なの…まだ無理なんじゃないか。嬉しいお誘いだけれど」 「免疫だ」 「え?」 「おじさんが免疫を与えたかったのはキリコ、お前さんだ」 「嘘」 「嘘じゃない。早く抱け」 「…分かった。親父の跡を消してやる」 分かってないな、こいつは。 一週間。いつにもなく甲斐しく心配そうに俺の世話をやいたキリコ。 その間、安楽死家業は休業になるなと、遠慮なく面倒をかけることにしたが… 俺はこの時知らなかった キリコが感じていた 心の奥底に流れる水脈の正体を… …ポツ。 それが父であったこと。 …苦しむ俺の姿がその父の姿に重なり合い、おじさんを追い詰めたことも。 …ポツ…ポツ 俺の身に起きた、降って沸いたような出来事は 20年もの月日を経て地下水脈のように流れていたことが、表面化したに過ぎないことを。 ポッ、ポッ、ポッ、ポッ… 俺の体内に宿るワクチン…後に世間を騒がせる自殺すら誘発する…あの恐ろしい薬へ打ち勝つための望みを繋げたことを 父が俺を確かに愛していたことを 俺は、知らなかった。 その流れの中に ポタリ… 俺の父の血が混じっていたことを 父の血がどのぐらい鮮やかな色なのかを ポタリ…ポタリ… 俺がキリコに抱かれて心の傷を癒していた時、父は心すら無くして血を流していた それはもう一人の俺の姿だったことを 「カゲミツー!!!」 ツ…ツゥ…ツ、ツゥー… 俺は知らなかった おじさんはなかなか止まらない血を、 父の血を止めようとしていたことを。 一人組織に立ち向かう覚悟でいたことを時は満ちた 次頁 -------------------------------------- ※キイコたんって…キイコたんって、キイコたんってーー!!!!!(三回も言わんでいい) 可愛い!ピノコちゃんが可愛い!キイコたんって言い方が可愛いっす!だって、「たん」って!キイコt(もおいい) 仁王立ちでキイコたん(しつこい)を守ろうとするピノコちゃん!「らめー!」ですって!「らめ!」 きゃああああ!可愛い!素敵!愛らしい!!そいでもって「こやっ」ですよ「こやっ」!!!ほわあああ(失神) さて、ピノコちゃんを語ると長くなるので、ここで、泣きながら割愛します(まったくじゃ) でも可愛いなあ、ピノコty(強制終了) さて、なんとまあ!キリジャですよーー!!! 黒男くん(とあえて、呼ばせていただきます)は、しっかりとエドワードの事を覚えていたんですね。 それも「大好きなおじさん」として。優しかったおじさんを必死で信じようとする彼の心情が辛いですね。 そして自分の父親が恋人(ぎゃああ!←慣れてない表現なもんで)を陵辱したという事実を、キリコはどう受け止めるのか! 事情は複雑になってきました!(いや、もともと複雑だから) 話はドンドン進んでいきます! 果てさて、キリジャの二人はどうなるのか!乞うご期待!(←こらこら)