※tui様の素敵エド影小説です!!!
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2話(tui様)
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11話(tui様)

(6話)

「ブラックジャック…!」 


例えば涌き水が、突然あふれているように見えて、奥底に流れていたものが見えただけに過ぎなかったように。 

物事に突然や偶然など 
どのぐらいあるだろうか 



…見事な仁王立ちだ。 
「…そこをどきな」 
「入ったらラメー!!!」 
「お嬢ちゃん…先生は御乱心なのかい?」 
「違う!」 
「…何があった。」 
「…感染症かも知えないって!」 
「感染症?」 
「うん。そいで、キイコたんに、あたしの世話を頼みたいって」 
ドアの向こうに声をかけてみる。 
…が、返事はない。 
「早く、あたしをキイコたんの所へ連えてって!」ユリにお嬢ちゃんを即座に迎えに来るように頼んだ。 
「入る…」 
「こやっ!!」 
番犬か、お嬢ちゃんは。 「あのね…キイコたんが、来ても絶対入れたらいけないって」 
「…何故俺なんだ」 
「入ろうとするのはキイコたんぐらいだからだって」 
確かに…当たりだ。 
「れも、れもね、先生青い顔をしてたの…らかららから」 
「入って欲しいんだな…知ってる限りでいいから詳しく話してみろ」 
「うん、今すぐに出てけって言って、玄関まで来た時には、もう先生は気を失ってるみたいな気がちたの…」 
「毒性が強いのか?」 
「わかんない。たら、それまでは元気らったの。髪を切ってかや買物をちて…3時間ぐやいだった。」 
強毒性なのか?となると、ブラックジャックどころじゃない。おれがお世話に…確か、こないだまでちまたで騒がれてたウイルスがあったな…検疫を盛んにやってたはずだ 
「…知り合いをあたってみる。」 

程なくして、俺は防護服を手に入れた 

「入るぞ」 
「駄目だ」 
「大丈夫、感染症にはかからないようにしてきた」 
「駄目だ…お前だけは」 
「…やはりな、俺に関係があるんだろ?」 
「そうじゃない!」 
「ああ、そうなの。」 
無駄に頑丈な扉だ。全く納得していない俺は当然のごとく窓を叩きわって侵入した。 

ガシャン!!…パリン…パリン…パリン 

キリコが徐々に近付いてくる足音。大丈夫、シュミレーションをした。 俺は平気だ。 

パリン… 

運命の悪戯か…まさかこんな、こんな再会をするなんて… 


パリン… 

おじさんはそんな人じゃない。きっと深い事情があったに違いない。優しかったおじさん。久しぶりに会えて嬉しかった。 
子供の頃なんてよく覚えていなかった。けれどおじさんに会ったら、淡い日、幸せだったことが蘇ってきた。 
俺の家族。 
父との思い出など何一つもないとすら思っていたのに。 

ガチャガチャ… 

とても…苦しそうだった。思いが届かない人を抱きたいから? 
犯されてるのは俺なのに。 
「ああ、そう…いいのね」 

これじゃあまるで… 


ドカッ! 

ガシャ… 

「元気そうね」 
「ああ、ほどほど…」 
言い終えないうちに、俺の衣服を剥ぎ取った 

「…親父か」 

「違う」 

「無理矢理…犯されたんだな」 

「違う」 

「嘘つき」 

「嘘はついてな…」 
あれほどシュミレーションしたのに。言葉が上手く出てこない。 

何か事情があったのかもしれないことは注射の跡からも伺える。 

ただ、ただおじさんは、 

大好きだったおじさんは 

…同じ顔だった。 

俺に心が向いていない、キリコに見えた。 

ただ、欲望をぶつけるだけの、キリコに見えた。まるで別に好きな人がいて、その代わりに俺を抱いているみたいだった 

分かってる、よく分かってるんだ。事情があったんだ。 

心は俺に全くないキリコに見えた。肌を深く合わせれば合わせるほどに、俺の躯に完全に食い込んでいたのに俺のことなど…気にしていなかった。 

必死に名前を呼んでも 
答えはなかった 


頭ではよく分かってるんだ。なのに…何故、何故心が追いつかない 

「…安楽には死なせないつもりだ」 

言葉に詰まる俺を見て、キリコが…こう答えることは分かっていた。 
絶対に駄目だ。 
父親に復讐をしようとするなんて。親子で傷つけあうようなことは 
「違うんだ…これを見ろ!」 
「何を打たれた」 

「知らない。ただ、感染症の疑いがある。一週間だ。一週間様子を見てくれ。お前は世話をしにきたんだろ…データを頼む。結論はそれからだ」 

「それからやっていい…」 

「馬鹿っ!!親子で殺しあいなんて嫌だからな。押さえられないなら俺がお前さんを…急所は外してやる」 

「…辛いのはお前だろう?何故親父の味方をするんだ」 

「…苦しそうだったから」 
「…どうして」 

答えは一週間もかからずに分かった。注射の跡は免疫が出来たか検査したのだと結論づけたが、感染症の疑いが晴れるまで一応安静にしていた。多少の抗体反応があったので、しばらく微熱が続いたが、ほどなく全快した。 
ただ二つ疑問が残った 


これは何の免疫なのか。 

強引な手段を要するほど急ぐ必要があったのか。 

「キリコ、俺を抱け」 
「もう大丈夫なの…まだ無理なんじゃないか。嬉しいお誘いだけれど」 
「免疫だ」 
「え?」 
「おじさんが免疫を与えたかったのはキリコ、お前さんだ」 
「嘘」 
「嘘じゃない。早く抱け」 
「…分かった。親父の跡を消してやる」 
分かってないな、こいつは。 

一週間。いつにもなく甲斐しく心配そうに俺の世話をやいたキリコ。 
その間、安楽死家業は休業になるなと、遠慮なく面倒をかけることにしたが… 

俺はこの時知らなかった 
キリコが感じていた 
心の奥底に流れる水脈の正体を… 


…ポツ。 


それが父であったこと。 

…苦しむ俺の姿がその父の姿に重なり合い、おじさんを追い詰めたことも。 

…ポツ…ポツ 

俺の身に起きた、降って沸いたような出来事は 
20年もの月日を経て地下水脈のように流れていたことが、表面化したに過ぎないことを。 

ポッ、ポッ、ポッ、ポッ… 

俺の体内に宿るワクチン…後に世間を騒がせる自殺すら誘発する…あの恐ろしい薬へ打ち勝つための望みを繋げたことを 
父が俺を確かに愛していたことを 

俺は、知らなかった。 
その流れの中に 


ポタリ… 


俺の父の血が混じっていたことを 
父の血がどのぐらい鮮やかな色なのかを 

ポタリ…ポタリ… 

俺がキリコに抱かれて心の傷を癒していた時、父は心すら無くして血を流していた 
それはもう一人の俺の姿だったことを 


「カゲミツー!!!」 

ツ…ツゥ…ツ、ツゥー… 


俺は知らなかった 

おじさんはなかなか止まらない血を、 

父の血を止めようとしていたことを。 

一人組織に立ち向かう覚悟でいたことを 










時は満ちた
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