※tui様の素敵エド影小説です!!! 前回までのあらすじは↓↓こちらをご覧下さい。 1(by不良保育士) 2(tui様) 3(by不良保育士) 4(tui様) 5(by不良保育士) 6(tui様) 7(by不良保育士) 8(by不良保育士) 10(by不良保育士) 11(tui様) (9) 例えば学校の先生の前だと立派な50歳になっても、永遠にただの生徒になっちゃうみたいに。 20年ぶりにあってもあの頃に戻ってしまうものだ、あの幼い日々に。 …「早く抱け」という割にそっぽを向いて、何かを堪えているみたいにギュっと目を潰り、手足を強張らせている。 こいつはまさか… 「なぁ…俺の親父は俺に似てたか?長く会っていないから」 「あ?ああ、そっくりだったよ」 「そう…親父のこと何か覚えてるか?ほら、おじさんって言ってるだろお前」 「確かに。それが顔を見たら不思議と色々思い出したんだよ …そうだな、肩車だとか、紙飛行機を折ってくれたり…きっとそれは父に習ったんだろうな。何処までも飛んだみたいに上手で、とっても嬉しかったんだ」 「そう。ちょっと待ってて」 お嬢ちゃんに、、やっぱり持ってたか。 「ほら、俺も折りたいから教えろよ」 「何だよ急に。大の大人が…仕方ないな」 ブラックジャックが口で説明をして、俺はその通りに折ってみせた。 「はい、プレゼント」 「安いな…」 「いいから、ちょっと飛ばして見せて」 なだらかな弧を描いて、白い紙飛行機はスゥーっと飛んでいった。 「それから」 「それから…沢山はしゃいで…眠くなった。おじさんはベットまで俺を抱えて、寝かせてくれた。 ちょっ…」 お姫様抱っこには抵抗があるらしく、もがいていた。 「で?」 「おやすみのキスをしてくれた…違う!おでこだっ!ディープでもない!」 「何か言った?」 「くろおくん、いい夢見るんだよって頭を優しく撫でてくれて…大きな…あったかい手だった」 よく覚えている。 その理由はこの顔の傷のせいだろう。 ブラックジャックにとって、幸せな子供の頃の思い出は、記憶力が働く三歳から不発弾の事故までとして…ほんの数年だったんだろう。 ほんの一握りの穏やかで平和な日々。 かけがえのない思い出。 それを全て洪水のように押し流すような出来事だったはずだ。 「くろおくん、いい夢を見るんだよ」 「な、さっきからおじさんみたいなこと…」 「くろおくん、久しぶりだね、おじさんだよ。 おじさんが会いにきたんだよ」 額に軽くキスをして、頭を撫でて、 そのまま髪を撫でて 唇にキスをした 「キリ…な、ちょっと待て」 「おじさんに似てるんだろ、おじさんは嫌いかい」 「好きだった、大好きだった」 「ならいいだろう、大好きなおじさんに抱かれるんだよ、くろおくん」 「なっ…いや…だ、キリコ」 「違うよ、おじさんだよ。ほら、気持ちいいだろう?この間みたいなことをしよう」 「やめろキリコ!」 唇を首筋にうつして、衣服を徐々に乱してゆく 「おじさんに可愛い声を聞かせてごらん」 「いや…キリ…おじさ…」 胸を軽く甘噛みする 「おじさんの好きな人の代わりだよ。くろおくん、優しくしてあげるから…」 「あ…いやだ、おじさん。助けて、助けてキリコ…」 脇腹を撫でてその手でジッパーを下げる。 「う、そ…なんで」 「同じことをするだけだから」 ジージ、ジ、ジー… 「あっ…ああ…嫌だ!! エド、エドワードおじさん、嫌だ! うぁ…怖いよ、おじさん怖い… やめてやめてやめて!! キリコ!キリコ助けて!!」 「ブラックジャック!! 俺を見ろ。よくみるんだ!!!」 「…キリコ」 「そうだ。おじさんじゃない。キリコだ」 正気を取り戻していく。 「…お前は、親父が俺に見えたと言ったな。 それは、現実から逃げたんだ」 「逃げる?違う。本当にキリコに見えた…」 「違わない!…受け止めきれなかったのさ。親父に犯されたという現実を。なのにお前は…自分自身に嘘をつくな」 「嘘なんてついてない」 「分かっただろう? お前が思う以上に傷は深いんだ」 「襲われることぐらい…よくある事だ。」 「それは今のブラックジャックにとってだろう? 親父の前でお前はいつまでもくろおくんなんだよ 。お前が親父をおじさんと呼ぶように」 「…20年ぶりに会ったら、忘れていた子供の頃の感覚が蘇ってきたんだ。」 「そうか」 「…嬉しくって懐かしくって。柄にもなく、ウキウキして。子供の心、子供の頃の俺が蘇ってきたんだよ…だから…耐えられなかったのかもしれない。 おじさんをキリコに重ねようとしたのかもしれない。」 「…そうだ」 「抵抗する気力なんて沸いてこなかった。そうだ、おじさんに子供の力でかなう訳ないって、…子供の心の俺にはおじさんに犯されることが…」 思わず俺は抱きしめていた。 「もういい… それ以上言わなくていい。 …くろおくんなら泣いてもいいんじゃないか」 「あ…ああ…うあああああ!!!」 「終わったんだ、終わったんだよ。 …誰もお前を傷つけたりしない」 まるで、くろおくんを…ブラックを慰めてるみたい。 やはりブラックジャックは無自覚に一人で抱えこんでいた。 「追い詰めるような真似をしてすまない。お前は我慢強い奴だ。こうでもしないと、お前は痛みを抱えたままだと思ったんだ。 お前は俺が親父に危害を加えると思って…俺の父親だから、我慢してたんだな。自分に言い聞かせて自分を守ろうと必死だったのに。悪かった」 「現実を認識させ事実に向かい合わせる…ショック療法か。お見事だ。 お前さんやっぱり精神科医の方が向いてるぞ」 「かもね…もう大丈夫だな」 「ああ。俺は大丈夫だ。それと…大好きだったおじさんじゃなくて、大好きなおじさんだ。 …俺はおじさんを信じる」 「分かってるよ」 この強さには驚かされる。人を信じるという強さに。 「俺もお前と同じに向き合ってみようと思う。親父を避けずに、理由を探してみようと思う。真実がどこにあるのかを。」 「やっぱり俺はおじさんが好きなんだよ。そう言いだすと思っていた…それに…おじさんは何か抱えてるみたいだった。とても苦しそうだった …俺と同じにみえたんだ。」 「助けたいのか」 「キリコ。お前が俺の抱えていたものを見破ったように、おじさんを助けられるのはお前さんしかいないんだ。」 「…お前が望むのなら」 父を許せない気持ちが込み上げてくる。ただ、この免疫の理由が解れば、それも仕方ないことだと思えるかもしれない 。 それに。 俺の子供の頃の傷。ブラックジャックに似たあの人は…まさかとは思うが…こいつにはまだ知らせない方がいいだろう 「…ピノコには言うなよ」 「ああ。」 「絶対に言うなよ」 「泣き顔が可愛いとか?」 言って分からない奴にはメスでも投げるか…みたいな仕種が恐ろしい。 それから俺達は情報を集めた。 「クリアー?」 「そう。ちまたでは通称クリアーと呼ばれている迷わずに死ねる薬があるらしい」 何でもそれは頭が真っ白にして意のままに他人を操る洗脳薬。 しかも、強力な依存性の割に混在している感染力のあるウイルスが膜を張り健康を保つという妙な薬。つまり、投薬されていることが見た目には気付きにくかったり、長く支配し続けることが出来るということか これだ 俺達の直感は割と当たる悪魔の薬 次頁 -------------------------------------- ※大好きなおじさんーーーー!!!!! ななななななんて泣ける話なのでしょうか!! しかし、おじさん、愛されております(笑)大好きだったのね、黒男くん(泣) キリコ優しいなあ…いい奴だ。でも、キリコも相当苦しい立場なんですよね、なんてったって、黒男クンの トラウマの原因が自分の父親だという。 そして!父親と立ち向かう決意をしたキリコ!おおう!かっちょええですね! 話も核心に近づいてきております! がんばれキリコ!(笑)